春の草花遊び(キッピー山のラボのプログラム紹介)

ひょうごエコロコプロジェクトの推進委員の山中詩子です。

今回は、エコロコプロジェクトのパートナー施設でもある三田市有馬富士自然学習センター(キッピー山のラボ)で先日行った「くさばなペンダント」プログラムのご紹介をします。

この日の開催場所は里山の風景が広がる"あいな里山公園"の農村舞台。春風を感じながら、1日限定の"くさばなペンダントやさん"を開店してきました~♪

あいな里山公園 | 国営明石海峡公園神戸地区 (kobe-kaikyopark.jp)

" あいな里山公園" は四季折々の里地里山の風景や様々な体験が楽しめる公園です。会場の近くの道端や田んぼの畦道を草花を摘んできてから、ペンダントづくりがはじまります。

オオイヌノフグリ、カラスノエンドウ、ナズナ、ヒメオドリコソウ、ヨモギ…などなど春の草花がいっぱいです。

今回は、三角形に切った貼りパネルを台紙にし、直接お花を貼っていくタイプと、木槌で草花をたたいてまるい濾紙をくさばな色に染めていくタイプの2つのペンダントから2種類選んでつくってもらうことにしました。

受付横には、予め摘んできた草花をお花屋さん風にディスプレイして、子どもたちはそこから選んでもいいし、自分で摘みにいってもいいという自由度をもたせました。

あいな里山公園の方が、"お花つみつみPOINTS"という地図をつくってくださり、子どもたちはお花屋さんで気ににいった花を地図をみて探しにいく姿もみられました。

子どもたちが自分で選ぶ体験がいくつもちりばめれていることを、私は遊びの環境をつくる際にとても大切にしています。そのため、今回は、はじまりのワクワク感を引き出すお花屋さんのディスプレイにはとてもこだわりました。

草花のたたき染めをする時に工夫したところもお伝えしてみます。

草花をたたいて染める時には、机の上に板を敷き、その上に布、新聞紙をひきました。これはいくつかの理由があります。ひとつは音の軽減です。机の上にそのまま木槌でたたくと机の材質にもよりますが、音がかなり大きく、傷もつきます。板と布をはさむことで多少緩和できました。布地がやわらかすぎると、叩いた時に色がでにくいのでその加減に気を配りました。

紙は濾紙を使うことで吸収率がよく、草花の色がうつりやすいし、まるいかたちもそれだけでペンダントになるような可愛らしさがありました。木槌で叩くときは紙の上からラップをかけてから叩くと、子どもたちが交代する時やいろんな草花をのせた時に色がまざりすぎず良い感じでした。木槌に色がつかず後片付けもしやすいから、おすすめです。

この遊びは小さな子どもから大人まで一緒になって楽しめることがとてもいいなぁと感じました。

3歳くらいの子どもは、ラップフィルムを広めにしてその端っこを大人が持つサポートすること(マスキングテープで固定してもいいですね。)で、写真のように、子どもが自分の手を添えずとも、自分でたたくことができます。この時に、一度にたくさん草花をのせておくと、的が広がるのでたたく行為が楽しめ、色もでやすく、色がうつった喜びを実感している様子でした。

5歳くらいになると、どんな風にたたいたらどんな色が出るか等の力加減や草花の配置などのデザインを工夫したりしていました。

大人は草花をたたいて染めるということに感激される方が多かったです。おしゃれに仕上げようと本気で制作されている姿もみられ職人さんもちらほらおられました。親子プログラムとしてもいいですね〜♪

「自分で」「自分が」「自分の」という自分を中心とした体験が遊びの中では自然にうまれます。自分で選ぶ、自分がつくる、自分のペンダント…という感じで、自分中心に子どもたちが自然に動くこと、手を動かしながら自分で考えるそんな体験の連続がある空間は余白がたくさんあって遊びの光景としてとても躍動的で私は心地よく感じます。子どもたちが感じとっていることを、制作の姿から、そしてちょっとしたおしゃべりの中から感じ取れることはとても嬉しいことです。

「たのしかった。おうちでもやってみるね!」と何人かの子どもたちが声をかけてくれました。くさばなペンダントをつくりながら、子どもたちはたくさんの発見と不思議の気持ちを体感したようです。

例えば、たたいた時に染み出るお花や葉っぱの色が摘んだ時に見えているものと違っていること、一見鮮やかな色のお花でもたたくとあまり色がでなかったこと、お花の形や大きさがひとつひとつ違うこと等、植物への興味が広がっている様子でした。遊びの中で体感すること〜。ほんとうにたくさんあるなぁといきいきとした子どもたちの姿から、改めてそんな風に思いました。

春はいろんな草花が芽生え、自然の恵みを少しおすそわけいただきながら、子どもたちと楽しい時間をお過ごしください〜♪