春のぼかし絵遊び(キッピー山のラボのプログラム紹介)

ひょうごエコロコプロジェクトの推進委員の山中詩子です。

今回は、エコロコプロジェクトのパートナー施設でもある三田市有馬富士自然学習センター(キッピー山のラボ)で先日行った「はるいろペンダント」プログラムのご紹介をします。

あたたかくなってきた今日この頃。おそとで春の蝶に出会える季節ですね。みなさんの園でも、お外にお散歩に出かけたり、蝶の観察や飼育をしながら、こんな遊びや活動を展開されてみてはいかがでしょうか~。

蝶の羽には鱗粉(りんぷん)があり、色や模様をつくりだしています。このことからインスピレーションが湧きうまれた《ぼかし絵遊び》です。子どもたちが遊びながらつくって、つくってからも遊びが続いていくような内容がいいなと考えました。ペンダントの蝶は動かして遊ぶこともでき、子どもたちに大好評でした♪

今回の画材は、粉末の顔料を粘着剤で棒状に固めたパステルという画材を使いました。クリップや定規で削ると粉状になります。この粉を指やコットンにつけて和紙を色付けていきます。指さきやコットンでくるくると紙をさするようにしてぼかすことでやわらかい色あいになり、粉の色をまぜるといろんな色をうみだすことができます。蝶の羽にふれた時に指に粉がつくことや、蝶の羽の鱗粉が色や模様をつくりだしていることを標本をみながらお話しながら、子どもたちに好きなパステルを3本選んでもらい、まずは折り紙サイズのぼかし絵遊びをすることから取り組んでもらいました。どんな色を選ぶのかも、どんな描き方をするのかも、ぼかしかたも人それぞれ。子どもたちは、「ほんまや粉出てきた!」「こんなに粉たまったよ。」「まぜるとどうなるの?」といろんな実験が繰り広げられ、すてきな「はるいろ模様」の紙がうまれました。

色とりどりのぼかし絵の折り紙ができたところで、折って蝶のかたちに仕上げます。自分の描いた絵のどの部分が蝶の羽となって現れるのかに子どもたちの関心は集まっていました。小さな子どもたちには、保護者の方も一緒になって折り紙を進めてもらいました。「折り紙、久しぶりです~。」と親子で一緒に楽しむこともできました。小さな和紙をぼかし絵のおためし用にお渡ししていたので、それで小さな蝶を折っておられる保護者の方もおられました。今回は自由入退場のスタイルでのプログラム実施だったので、こんな風にあえて、一緒に折るコーナーをつくることで、会話をするきっかけとなり、また、別の子どもたちの蝶と見比べたりする体験をうみだすことができます。また、材料コーナー(簡単な説明(イントロダクション)もここで行う)と、にじみ絵遊びのコーナーと折り紙のコーナーを今回別にコーナーをつくることで、子どもたちひとりひとりの制作のリズムに寄り添い、また、人との出会いや一緒につくる体験へとつなげていくことができました。プログラムでのこうした空間の工夫は、子どもたちの体験を引き出す環境として大切にしています。

キッピー山のラボのコミュニケーターになって2年がたとうとしています。今まで自分が取り組んできた子どもたちの遊び(表現)の世界と自然がどんどんつながっていく感覚があります。それは、自分自身が公園で実際に出会う"いきもの"たちから、面白いと感じたことや不思議と思ったことを、"遊び"に転換していく実験のようです。自分にとって、今までとはまた別の発想からの遊びの提案となっています。自由に子どもたちの想像を引き出していくような表現の場としてのプログラムとは少しうみだし方が違っているからです。子どもたちが遊びながら表現をもって自然を体感していく体験と捉えているから。また新たな遊びの発想の可能性を子どもたちと描いていけそうな気がしています。今回の内容は、今度実施することがあれば、ほんものの蝶の羽を拡大してみてから、制作しても面白いなと思いました。やってみて子どもたちとどんどん進化していけそうなプログラム内容だと感じました。

こんな風に、時折、キッピー山のラボの模様を回想風にエコロコHPでもお伝えしてみますね。先生たちの園での活動のヒントになれば嬉しいなと思います。

ひょうごエコロコプロジェクト:パートナー施設
三田市有馬富士自然学習センター(キッピー山のラボ)

キッピー山のラボ 三田市有馬富士自然学習センター | 有馬富士公園にある しぜん・たいけん・ミュージアム (kippy-labo.jp) 

【ひょうごエコロコプロジェクト 推進委員 山中詩子】