“いきいきおちば(押し葉)”をつくろう!

 みなさんこんにちは。こども環境体験コーディネーターの河田麻美(あさちゃん)です。

 この時期、お散歩をしていると、「うぁ~♡きれい~♡」とうっとりするくらい美しい落ち葉に出会うことがあります。

 そのままの状態では、その色や形は長くは楽しめませんが、押し葉にすることで、長く葉の色と形を楽しむことができます。ほんのひと手間で"いきいきおちば(押し葉)”に大変身です!また押し葉にすることで、保育園や幼稚園での作品づくりにも、活かしやすくなります。年中行事の制作にもオススメです!

 今回、私は、兵庫県三田市にあります、三田市有馬富士自然学習センター(キッピー山のラボ)におじゃまして、キッピー山のラボの高橋晃先生(あきさん)とエコロコ推進委員の山中さん(うたこさん)と一緒に、葉の採取と押し葉づくりをしました。高橋先生は、長年植物の研究をされてきた方で、今まで数多くの植物標本を作製されてきたそうです。その植物標本作成のエッセンスが、今回の押し葉づくりにも活かされていました。その時の様子を紹介させてもらいますね。

押し葉のよいところ

 そのままの葉(押し葉にしていない葉)を使った作品もステキですが、作品をそのままにしておくと、葉の端が丸まってしまったり、色がくすんでしまったり、時にはカビが生えてしまうこともあります。でも、押し葉を使えばそんな困ったことも少なくなります。押し葉は、葉の水分を素早く抜くことで、葉の色や形を長く保つことができます。押し葉を使えば、作品も長く楽しめますね。

 また、この時期に前もって押し葉にしておけば、冬の期間も作品作りを楽しめます。お気に入りの落ち葉や葉を見つけたら、ぜひ押し葉にしてみてくださいね。

葉の採取にでかけよう

 2022年11月15日(火)、有馬富士公園にて葉の採取を行いました。すがすがしい秋晴れが気持ちよく、紅葉した木々の色がより一層きれいに見えました。紅葉を楽しみながらの葉の採取、うたこさんのうしろ姿からもその楽しさが伝わりますね。

 ここでのポイントは「状態の良い葉を選ぶこと」です。葉の色がくすんでいたり、端が丸まっている葉は押し葉にはむきません(写真左 あまりよくない葉)。一方、落ちてすぐの葉はみずみずしく、色も鮮やかで状態が良く(写真右 状態の良い葉)押し葉に向いています。

採取した葉は種類毎に袋にいれて、持ち帰りました。全部で11種類の葉を採取しました。

採取した葉 上段左から、ヤマノイモ、カナクギノキ、イロハモミジ、ハウチワカエデ、ウリカエデ、イチョウ、下段左から、ヤマグワ、タカノツメ、ヤマコウバシ、サルトリイバラ、カキノキ

押し葉の作り方

 押し葉づくりで必要なものは、新聞とおもし。特別なものは必要ありません。お家や園にあるもので出来ます!では、実際にどのように作るのか紹介しますね。

【材料】新聞 おもし+ベニヤ板(図鑑、コピー用紙の束などで代用可)

新聞紙は見開き1枚を半分に切ったもの(1面分)を使います。

 新聞紙は、葉をはさむ「はさみ紙」、水を吸い取る「吸水紙」として使います。吸水紙+はさみ紙+吸水紙+はさみ紙+吸水紙と順に重ねていきます。どれが「はさみ紙」でどれが「吸水紙」か一目でわかるよう、新聞紙の折り目の向きをそろえると便利です。

【作り方】

①吸水用の新聞紙を下に置きます。新聞紙1面を半分におり、折り目を左側にします。

②はさみ紙を吸水紙の上に置きます。新聞紙1面を半分に折り、折り目を右側にします。

③はさみ紙をひらき、葉をならべます。葉が重ならないようにするのがポイントです。

④はさみ紙で葉をはさみ、手でかるく押し付けます

⑤④の上に、吸水紙を重ねます。これで1セットの出来上がりです。

 そのまま、たくさんの種類の押し葉をする場合は、①~④を繰り返してください。最初と最後は吸水紙になるようにしてください。

⑥葉をすべてはさめたら、おもしを乗せます。全体にまんべんなく重さがかかるよう、ベニヤ板の上におもしを乗せます。ベニヤ板がない場合は、図鑑や、コピー用紙の束など、平らで重いものを、おもしがわりに使うとよいです。

⑦押し葉にするまで、1週間ほどかかります。その間、吸水紙を小まめに換えるのがポイントです。押し葉をした翌日は、吸水紙を2回ほど換えます。翌日以降は1日1回吸水紙を換えるようにしてください。はさみ紙は換えずにそのままでよいです! ☆最初の吸水紙交換の際、折れたり、曲がったりした葉があれば形直しをしてください。

完成した押し葉。1週間で押し葉になりました。

 種類にもよりますが、だいたい1週間ほどで完成です。すぐに使わない場合は、吸水紙のみ取り除いて、はさみ紙にはさんだ状態で保管してください。保管する場所は暗くて涼しい場所がおすすめです。

 また、押し葉にする期間が長ければ長いほど、葉の水分が抜け、パリパリになります。パリパリの押し葉は、細かく砕いて使うには良いかもしれませんが、葉の形を活かしたい場合はパリパリに乾燥しすぎない方が使いやすいです。パリパリにせず、葉の柔らかさを少し残したい場合は、1週間を目安に作ってみてください。

1年前に作った押し葉 はさみ紙にはさんで保管していました。

押し葉つくりのポイント

①状態の良い葉をえらぶ

②採った葉は、なるべく早く押し葉にする。

 採って1~2時間以内が良いです。すぐに押し葉にできない場合は、冷蔵庫など冷暗所で保管するようにしてください。 1、2日間程度であれば状態を保てます。

③最初の数日は吸水紙をこまめに換える。

もっと押し葉を楽しもう!

 いかがでしたか?押し葉は、家でも、園でも、新聞紙とおもしがあれば、どこでもできます!作り方もとってもシンプルなので、お子さんと一緒にするのも良いかもしれませんね。

 作って楽しい、作ったあとも楽しい、魅力いっぱいの押し葉。エコロコでも、押し葉を楽しむプログラムをする予定です!みなさん、ぜひご参加ください。

○幼稚園、保育園の先生向け「エコロコくらぶ限定企画」~葉の採取、押し葉づくりの紹介、園の年中行事で使える押し葉を使った制作やあそびの紹介など。~ 

 ”いきいきおちば”で作ろう!あそぼう!  12/10(土)10:00~11:40 兵庫県立尼崎の森中央緑地

○おやこ向けのイベント ~有馬富士公園の葉っぱの押し葉を使って鬼のつのを作ってあそびます。~

 おにつのつんつん  1/21(土)11:00~15:00  三田市有馬富士自然学習センター(キッピ―山のラボ) 

 

2022年11月25日植物,雑記

Posted by あさちゃん