ˆoˆ 園庭のむしずかん ««« 園庭やお散歩でつかまえたバッタ ベスト5!!
秋の園庭や公園には、バッタがいっぱいいますね!!
バッタはバッタでも、いろんな種類がありますよ〜
今日は、園庭で子どもたちがつかまえたバッタのランキング、発表しまーす!!
「エコロコしぜんたいけん」は、来年も続くので、順位は変わるかもしれませんけれどね。
園庭や園の近くで虫とりをする「エコロコしぜんたいけん」では、子どもたちがどんな虫をどれくらいつかまえたか、2020年11月まで、兵庫県内38の園で記録をしました。
うち30園で、子どもたちは、バッタをつかまえました(バッタのいない季節の実施もありますから)
つかまえたバッタは、15種類、577匹でした。けっこうすごいですね。パチパチ。
さてさて。どのバッタがいちばん多かったでしょう?
第1位 おんぶばった
17園の子どもたちが、156匹、つかまえました。オンブバッタとアカハネオンブバッタをあわせた数字です。
畑や花壇にいます。
オンブバッタは、好きな葉っぱが、ほかのバッタとちがっています。サツマイモやヒマワリの葉っぱに穴をあけているのは、たいてい、オンブバッタです。ほかのバッタは、ネコジャラシなどのイネのなかまの葉っぱが好きです。
ほとんどが緑色ですが、たまに枯れ草色の個体もいます。
最近は、アカハネオンブバッタも、いっしょにいます。
翅(はね)を開いてみないと、区別は難しいです。幼虫のときは区別ができません。
あかはねおんぶばったがほとんどの園もありました。
第2位 しょうりょうばった
15園の子どもたちが、257匹、つかまえました。
みんな、よく知ってるバッタですね。5月頃に、小さなあかちゃんが生まれます。
初夏の「しぜんたいけん」では、あかちゃんバッタをたくさんつかまえたので、数が多くなりました。
秋が深まると、いなくなります。
明るい、乾いた草地にすんでいます。
ちょっとした草地があれば、ショウリョウバッタは、やってきます。
オスとメスでは、大きさがぜんぜんちがいます。
オスは、5cmくらいですが、メスは、8cmくらいになります。
オスは、飛ぶときに音を出すので「きちきちばった」と呼ばれます。
緑色だけでなく、枯れ草色の個体や、緑色と枯れ草色をミックスした色の個体もいます。
第3位 いぼばった
13園の子どもたちが、18匹つかまえました。
運動場のような、あまり草が生えていないところが好きなバッタです。
大きさは、3、4cmくらい。砂の色によく似ていて、じっとしていると、見つけるのは難しいです。
背中にデコボコがあるのですが、できものの「イボ」という感じとは、ちょっとちがいます。
ほかのバッタは、色の変化があるのですが、このバッタはすべてモノトーンです。
第4位 まだらばった
9園の子どもたちが、34匹、つかまえました。
芝生のような、背の低い、明るい草地が好きなバッタです。
都市部にもふつうにいて、とてもきれいなバッタなのですが、図鑑に載っていないことが多くて、知名度が低く、残念です。
体は小さく、3、4cmくらいで、すばしっこいです。
枯れ草色が多いですが、緑色のものも、ピンク色(紅色型)のものも、います。
毎年のように「ピンク色のバッタを見つけた。これは何だ」と問い合わせがあります。
新聞記者さんは「何かの異常ではないか」と言われますが、そんなに珍しくないので、異常でもないです。
たとえば、ひとはくのある深田公園で小学生が23匹まだらばったをつかまえましたが、枯れ草色が13匹、緑色が3匹、ピンク色が7匹でした。ピンク色は、幼虫のとき、とくに鮮やかで、きれいです。
第5位 いなご
コバネイナゴとハネナガイナゴをあわせて、5園の子どもたちが、67匹つかまえました。
秋遅くまで、見られるバッタです。
田んぼのように、湿った草地が好きです。
園庭にはあまりいませんが、まわりに田んぼのある園では、お散歩に出かけると、見つかります。
「いなご」と「ばった」はちがうのですか?、という質問が、ときどきあります。
バッタの一部が、イナゴと呼ばれているので、イナゴもバッタです。でも、イナゴじゃないバッタもいます。
わかりますでしょうか? 包含関係です。(「小学校」と「学校」はちがうのですか?、みたいな感じ)
ハネナガイナゴは、名前のとおり、翅(はね)が長いのですが、慣れないと区別は難しいです。
第5位(その2) とのさまばった
みつけた園の数は、「いなご」と同じ、5園でした。つかまえた数は、12匹でした。
強烈によく飛ぶので、子どもたちには、なかなかつかまえられません。また、狭い園庭だと、すぐに飛び去ってしまいます。
しかし、秋が深まると、朝は気温が低くて、さすがのトノサマバッタも、あまり飛べません。そのチャンスに、6匹つかまえた園があり、ベスト5にエントリーとなりました。
子どものトノサマバッタは、つかまえやすいです。
第5位(その2) ひしばった
みつけた園の数とバッタの数は、とのさまばったと同じでした。
1cm足らずの、とても小さなバッタです。バッタと思えないかもしれません。
ほんとは、いろんな種類がありますが、まとめて「ヒシバッタ」とカウントしました。(トゲヒシバッタ、ハネナガヒシバッタは除く)
ヒシバッタは(ほんとはほかのバッタも、どんな虫も、そうですが)、1匹ずつ模様がちがっています。
→ いろんな模様のヒシバッタ
でも、80%以上は、この5種類でした。
園庭でつかまえたバッタの95%以上は、このうちのどれか
ショウリョウバッタは、10月になると、急に少なくなります。
種類によって、出てくる季節が少しずつちがうので、ほんとは、季節ごとにわけてご紹介する方がよかったかもしれません。もちろん、園の環境によって、いるバッタは、ちがいます。
みなさんの園にも、きっとバッタがいますので、さがしてみてください。
兵庫県には、36種類のバッタがいます。
くわしくは、「ひょうごのばった」図鑑をごらんください。
あっ、バッタと思ってたらキリギリスだった、ということもあります。
バッタとキリギリスは、よくにていますが、アンテナ(触角)を見れば、わかります。
こちらの記事(⇩)も、ごらんください。
バッタの育てかた
バッタを育てるのは、簡単です。でも、ちょっとコツを知っていないと、うまくいかないかも。
こちらの記事(⇩)をご参考に、育ててみてください。
バッタは、土の中に卵を産みます。なので、この方法で、バッタは卵を産みます。
冬の間は、なるべく、屋外の日陰に置いて、ときどき霧吹きで水をかけてやってください。
5〜6月頃には、かわいいバッタの赤ちゃんが、たくさん生れるはずです(生まれたらうれしいです)。
- バッタをぎゅっとつかむと、口から醤油色の茶色い液体を出すことがあります。カメムシが臭いを出すように、敵を驚かせる効果があるのではないか、といわれていますが、醤油を吐いてもカマキリは躊躇せず食べてしまうので、効果があるのかどうかわかりません。とくに毒があるわけでもないので、虫さんをさわったら手を洗う、だけで、だいじょうぶです。
- 「おんぶばった」という名前のバッタがいるように、大きなバッタが小さなバッタをおんぶしている姿が、よく見られます。上に乗っている小さい方はオスで、下にいる大きい方がメス。両者は親子ではなく「男女の関係」になります。幼虫のときは、おんぶしません。上に乗っかっているオスは、ほかのオスに取られないよう(オレの彼女に手を出すな、と)、メスをガードしているのです! 子どもたちに説明するのは、なかなか難しいですね!!