春の「お花」あそびレシピ②

ひょうごエコロコプロジェクトの推進委員の山中詩子(うたこさん)です。前回、私が普段お仕事をしている三田市有馬富士自然学習センター(キッピー山のラボ)の春の「お花」あそびレシピの第1弾を綴りました。

春はいきものたちがうごめく活気にみちたにぎやかさを感じる季節です。その後もいろんな「お花」あそびがうまれていったので、第2弾の遊びレシピを今回綴ろうと思います。

摘んだお花そのままで

水に浮かべる /おはな ぷかぷか

ひょうごエコロコプロジェクト発「おはな ぷかぷか」をキッピー山のラボでもやってみました。お花を摘んで水に浮かべるだけで、お花のみえかたがまた違ってみえてきます。

おすすめはハルジオンです。コミュニケ―ターあきさんがこのお花は茎をできるだけ短く摘むと、ぷかぷかお花が水面に浮かぶ感じをより楽しめると教えてくれました。

風が吹くと花がぷかぷかゆれて、白い容器に影がうつってとても美しかったです。お花を通して、風や光や水、普段の生活の中でなにげなくそこにある自然を感じとることができます。「おはな ぷかぷか」、ぜひ遊んでみてくださいね。

マスキングテープでむすぶ/お花のブーケ

キッピー山のラボでおそとで開催するイベント(おさんぽ等)で時々登場するお花のブーケづくり。マスキングテープをいつものお散歩にプラスワンアイテムとして持ち運ぶだけです。

マスキングテープをポケットにしのばせて、草花をつんだあと、茎の部分をテープでとめるだけで、かわいいブーケになります。ささっとつくれる手軽なところもおすすめです。そのままテープで胸元につけるとブローチにもなります。かわいいマスキングテープをみつけると、つい買ってしまいます。

ストローでたばねる/お花の指輪

紙製のクラフトストローを短くきったものに、お花を差しこみます。シロツメクサの茎が丈夫なのでそれを茎を長めにして指のサイズの輪にして端をまたストローにいれこむと指輪の完成です。指輪だけでなくいろんなものがつくれそうなアイディアです。キッピー山のラボのコミュニケーター すずきんは" ヤエムグラ" がお気に入り♪この方法でヤエムグラの茎を長くのこして最後にとおすと、植物の毛が洋服の繊維にくっついて、テープなしで自然のブローチとして仕上げることができます。"ヤエムグラ"がお気にいりのすずきんは、公園内でその植物をみつけるととても嬉しそうです。つくる楽しみが植物と出会う探す喜びとなっていきますね。

はりつける/くさばなペンダント

貼りパネルに摘んだお花をはりつけると、とても素敵なペンダントになります。土台のかたちを二等辺三角形にすると、材料が無駄なくとれ、さらに向きを変えるといろんなかたちにみえてパターンがひろがりおすすめです。今年は、ひょうごエコロコプロジェクトのパートナー施設である「あいな里山公園」で開催させてもらいました。里山の田んぼの畦道で草花を摘みながら子どもたちはのびのびおもいもいのペンダントをつくっていました。

叩いて色をうつす(たたき染め)

くさばなペンダント

摘み取った草花を濾紙の上に置き、上からラップフィルムを重ね、木槌でたたくと、植物の色がうつります。

どの植物からどんな色がでるのかワクワクする工作遊びとなります。子どもたちは制作の中で様々なことを感じていて、中には、つぼみの花の方が色が濃いとか、この花は色が濃いけどたたいても色がでないとか、よーく観察している姿もみられました。このペンダントのステキなところは、小さな子どもも大人も一緒になって楽しめるところです。

アレンジは無限大/こいのぼり

濾紙をつかった草花のたたき染めは、アレンジすると、いろんな工作に展開できます。こいのぼりの鱗にしてみたり、一枚でこいのぼりをつくってみたり…。アイディア次第でいろんな遊びがまだまだうまれていきそうです。

季節や場所を変えると、草花もかわって、また違う趣になります。葉がやわらかい春におすすめの遊びですが、松などの常緑樹は年間通じて楽しめます。

乾燥させる

つくったものをしばらくかざると…モビール

花をはりつけたくさばなペンダントをそのまましばらく置いておくと、お花が乾燥しドライフラワーになって、風合いが変わって面白いです。窓辺につるしたり、小枝につりさげたり…。時間の経過を楽しむのも自然素材ならではの楽しみかたです。また、自然のものは時間の経過で風合いがすぐに変わるもの、じっくり変わるもの、変わらないものがあります。それを組み合わせると、とても面白い作品となります。

小瓶につめて並べる

摘んだお花をざるにいれて風通しのよい場所で乾燥させておくと、簡単ドライフラワーの完成です。色を残すドライフラワーのコツは色々あるのですが、今回は"ほったらかしドライ"というシンプルな方法で行いましたが、それでもとてもキレイでした。おすすめは目の粗い竹ざるにいれておくことです。私は積み重ねることができるざるをつかいました。省スペースでも制作できますし、なんといっても、空気がとおりぬけるように乾かせるのでおすすめです。そのドライフラワーをスパイス瓶(プラスチック製)にいれて並べるだけで、すてきな展示になりますし、また、そこから使いたい時に使う保存場所になります。子どもたちと種類ごとに摘めるのも楽しい遊びとなりますよ。

紙粘土とくみあわせて

こうした植物の素材に紙粘土などの異素材を組み合わせると、制作に幅がうまれます。紙粘土にまぜこんでみたり、ぎゅつとおさえて貼り付けてみたり…。この日は緑の不織布の台に並べてもらいました。すると、それが花にみえてきます。パステルで茎や葉っぱを描いてもらうと…、花畑のできあがり。枝にさすと、花の咲く枝木の立体オブジェになります。こうした制作するプロセスを楽しむ先に、また違う作品のみせかたとなるような空間づくりができるのは腕のみせどころです。子どもたちの中でつくったものがその時楽しい遊びから誰かにもみてもらう表現へと体験の幅を広げる環境を手渡す目線も大切にしています。

すきまからうまれる遊び

この写真はヤマボウシのかたちが風車に似ていることから、風車にしてみようと、短いストローにさして吹いてまわしているところです。

暮らしのすきまからうまれるような遊びを、ちょっとした時間のすきまからひろがるような遊びを、私はとても愛おしく感じます。

素朴でさりげなく、ちょっぴり誰かに教えたくなるようなそんなサイズ感の遊びがちょこちょこあることはとても愉快なことです。そうこうしているうちに、それはいつしか一生もの、そうした遊びの発想をもてると、いろんなことを生活の中で楽しめるまなざしがもてると感じるからです。

そして、自然のものをとりいれることは、日常の中で自然と繋がりながら生きることのきっかけとなります。子どもだけでなく、大人も日頃から自然にふれ親しんで過ごす時間をもてることは日常をゆたかにしていくことに繋がっていくと思います。この季節を楽しく遊んでみてください♪

2023年5月27日家族でたいけんしたよ,植物

Posted by 山中 詩子