虫さん、すききらい、あるのかな? そうだ、虫さんに、きいてみよう!!
みんなは、すききらい、あるかな?
虫さんに、すききらいは、あるのかな?
アゲハチョウの幼虫は、ミカンやサンショウの葉っぱが、大好きですね。
これは、図鑑や本に書いてあるから、みんなもよく知ってるね。
じゃあ、ほかの葉っぱは、きらいなのかな?
毛虫さんは、どうなのかな? 何を食べるのかな?
図鑑には、書いていないかもしれませんね。
そもそも、毛虫にはいろいろあって、図鑑を見ても、種類がよくわからないですよね。
インターネットで調べても、わからない!
そんなときは・・・
簡単です。虫さんに、きいてみればいいのです!👍
すききらい の たしかめかた
虫さんに「すききらいは、ありますか?」ときいても、虫さんはお話ができないので、答えてくれません。
でも、お話ができなくても、おしえてもらう方法が、ありますよ。
手順は、つぎのとおりです。
小さなケースに、1匹ずつ、入れます
一つのケースに、1匹、虫さんを入れます。
1匹だと、その虫さんが食べたことがわかりますが、2匹以上入っていると、その中のどの子が食べたのか、わかりませんよね。みんなと同じように、一人ずつ、すききらいが、ちがうかもしれないですし。
同じ種類だとわかっているときは、一つの入れ物に何匹か入れてもいいです。
(同じ種類だと思っていても、別の種類だったりすることもありますので、なるべく1匹ずつがいいです。)
入れ物は、「タッパー」「ロックパック」などの、小さなケースが便利です。
記録写真を撮りやすいことも、ポイントですね。
この毛虫は、セスジヒトリというガの幼虫です。
大きな子も小さな子もいますが、むしはかせは、ぜんぶ同じ種類だと知っているので、一つのケースに入れました。
きれいな、ごはんを、2種類以上、入れます
何を食べるのかな? わからないときは、いろいろ、入れてみましょう。
毛虫は、葉っぱを食べるので、いろんな葉っぱを入れてみます。
このとき、虫に食べられていない、きれいな葉っぱを入れるようにします。
食べたかどうか、わかるようにするためです。
虫さんはケースに1匹ずつがいいですが、入れる葉っぱは、2種類以上がいいです。
虫さんは、はらぺこになると、ふだんは食べないものも食べてしまうことがあるので、「この葉っぱは、食べますか?」と虫さんにきいても、正直におしえてくれないことがあります。
それより「2種類のうちどっちが好き(きらい)ですか、いくつかの中ではどれが好き(きらい)ですか」ときいた方が、虫さんは正直におしえてくれることが多いです。
こんなふうに、おしえてくれたよ
虫さんにきいてみた結果を、ご紹介しましょう。
10月31日
入れた葉っぱ:オオバコ、スイバ、セイタカアワダチソウ、ムラサキツメクサ
結果は、
○ オオバコ
○ スイバ
× セイタカアワダチソウ
○ ムラサキツメクサ
つぎの日には、セイタカアワダチソウだけが残って、ほかの葉っぱは、きれいに食べられていました。
毛虫さんたちは、「この葉っぱ、キライや!」、ということを、おしえてくれました。
11月1日
今日は、もっと、いろんな葉っぱを入れてみました。
入れた葉っぱ:シロツメクサ、スミレ、スイバ、セイタカアワダチソウ、チガヤ、ムラサキツメクサ、メドハギ、ヤブガラシ、ヨモギ
結果は
○ シロツメクサ
○ スミレ
○ スイバ
× セイタカアワダチソウ
× チガヤ
○ ムラサキツメクサ
× メドハギ
○ ヤブガラシ
○ ヨモギ
やっぱり、セイタカアワダチソウは、きらいです。メドハギもきらいなのは、意外でした。
あまりたくさんの葉っぱを入れると、すぐにおしえてくれませんし、わかりにくいですね。😗
11月4日
入れた葉っぱ:カタバミ、シロツメクサ
結果は、
○ カタバミ
○ シロツメクサ
どちらもよく食べました。きっと大好きなんですね!(単にはらぺこだったからかもしれません)
11月5日
入れた葉っぱ:イタチハギ、クチナシ、サツマイモ
写真はありませんが、結果は、
○ イタチハギ
× クチナシ
○ サツマイモ
でした。メドハギはきらいなのに、イタチハギは食べるんですね。
11月17日
ヤブガラシを入れると、茎だけ食べて、葉っぱは残しました。葉っぱより茎の方が好きなのかな?
・・・こんな感じで、虫さんは、すぐに(早ければその日のうちに)、すききらいを、おしえてくれます。
楽しいですよ!
ほかの虫でも
今回は、毛虫の例ですが、あおむし、いもむし、そのほかの虫でも(虫じゃなくても)、やりかたは同じです。
バッタ、コオロギ、カマキリ、テントウムシ、カナブン、アメンボ、カメムシ・・・
すききらい、あるのかな?
いろんな虫さんに、きいてみてください。
ここで紹介した手順は、仮説を立てて実験によって検証するという、自然科学の基本的な方法です。
書物やネットでの調べ学習もたいせつですが、自分でたしかめてみるんだ、たしかめることができるんだ、という体験を、ぜひお楽しみください。
この毛虫については、こちらの記事もごらんください。