ばった・きりぎりす・こおろぎ【むしみつけたよ〜園児たちのむし図鑑】

ばった、きりぎりす、こおろぎです。園児たちに、いちばん身近な虫たちですね。これらの虫たちは、後脚(うしろあし)が大きく発達して、ぴょ〜んと跳躍することができます。

ばった の なかま

一部の種類は、脚(あし)を翅(はね)にこすりつけて鳴きますが、多くの種類は、鳴きません。昼間に活動します。


いなご(こばねいなご・はねながいなご)

いわゆるいなごには、2種類ありますが、慣れないと、区別は難しいく、幼虫では区別ができません。
区別せずに、何匹かいっしょにケースに入れると、同じ種類どうしが、結婚します。虫さんどうしは、ちゃんとわかるんや!

こばねいなご(メス)
はねながいなご(オス)
いなごの幼虫

🏠 田んぼや池のまわりの、背の高い草むらにいます。草の茎にとまっています。

🍙 イネの仲間の草が好きです。


いぼばった

3、4cmくらいの小ぶりのばった。
背中に、でこぼこがあるので、いぼばったという名前がついています。病気みたいでかわいそうやわ。
ほかのばったとちがって、緑や赤色の部分がなく、灰色と黒のモノトーンです。地面でじっとしていると、保護色なので、見つけにくいですね。

いぼばった
いぼばった(幼虫)

🏠 運動場とか、コンクリートの階段とか、ほとんど草が生えていないようなところが、大好き。

🍙 草を食べます。


おんぶばった

どこの園にも、たいてい、います。
ジャンプ力も、飛翔力も弱いので、子どもたちも、つかまえやすいです。
最近は、あかはねおんぶばったもいますが、後翅(うしろばね)を広げてみないと、違いがわかりません。
おんぶしている姿がよく見られるので、その名前があります。
おんぶは親子ではなく、男女の関係です!!
上がオス、下がメス。小さなオスが「オレの女に手え出すな」とガードしています。

おんぶばった
おんぶばった(幼虫)
おんぶしているオンブバッタ
枯れ草色のメスと緑色のオスのおんぶ
左:おんぶばった、右:あかはねおんぶばった

🏠 畑や花壇にいます。

🍙 イネ科の雑草は食べず、サツマイモ、シソ、バジル、ヒマワリなど、植えてある植物をよく食べます。


くるまばったもどき

メスは6cmくらいになります。緑色よりも、茶色の個体がの多いです。背中にXのような模様があります。
くるまばったに似ているから「もどき」とついていますが、クルマバッタは、田の畦や山道にいて、園庭や公園には、ほとんどいません。

くるまばったもどき
くるまばったもどき(幼虫)

🏠 いぼばったまだらばったと、いっしょにいることが多いです。ちょっと草が生えたようなところが好き。

🍙 草を食べます。


しょうりょうばった

メスは、8cmくらいで、いちばん大きなばったです。オスは、半分くらいの大きさで、飛ぶ時に音を出すのできちきちばったとも呼ばれます。緑色だけでなく、枯草色、その間くらいのミックス色のものもあります。
子どもたちが、いちばんたくさんつかまえる ばったです。とくに、幼虫。

しょうりょうばった(オス=きちきちばった)
しょうりょうばった(メス)
しょうりょうばった(幼虫・緑色)
しょうりょうばった(幼虫・枯草色)

🏠 明るい草むらに、います。

🍙 イネ科の草が好きです。


つちいなご

とのさまばったより少し小さいくらいの、大型のばったです。目の下に白い模様があります。涙みたい。幼虫のときは緑色が多いですが、大人は褐色です。脚は頑丈で、キック力が、とても強いです。
ほかのばったとちがって、大人の姿で、冬を越します。春から初夏に大きなばったがいたら、きっとつちいなごです。

つちいなご
つちいなご(幼虫)

🏠 背の高い草むらが好きで、草の茎にとまっています。

🍙 草を食べます。ほかのばったは、イネ科の植物が好きですが、つちいなごは、クズなどのマメ科の植物もよく食べます。


とげひしばった

ふつうのひしばったより少し大きいですが、それでも2cm足らずです。胸の側方にトゲがあります。色や模様の変化はほとんどありません。

とげひしばった

🏠 田んぼのあぜや池の周りの、湿った草地の地表にいます。

🍙 草を食べているのかな? よくわかりません。


とのさまばった

大きくて立派なばったです。脚のスネのところが、オレンジ色です。緑色と茶色があります。
つかまえたら、とてもうれしいですね! でも、大人のとのさまばったは、よく飛ぶので、なかなかつかまえられません。子どものときは、つかまえやすいです。

とのさまばった(緑)
とのさまばった(茶色)
とのさまばった(幼虫・茶色)
とのさまばった(幼虫・緑)

🏠 背の低い草が生えた明るい広場が好きです。とてもよく飛ぶので、小さな園庭だと、すぐに園の外へ飛んでいってしまいます。

🍙 草を食べます。


ひしばった

1cmくらいの ちっちゃな ばったです。ひし形です。幼虫か成虫かもわかりにくいです。よく似た種類がいくつかあります。個体によって、模様はさまざまです。
いろんな模様のヒシバッタ

ひしばった(幼虫っぽい)

🏠 地面にいます。

🍙 そういえば、何を食べてるのかな? 草、コケ、落ち葉? よくわかりませんね。


ひなばった

3、4cmくらいの小型のばった。
マダラバッタに似ていますが、お腹が黄色です。脚(あし)の色もちがいます。緑色の個体はいません。

ひなばった

🏠 枯れ草の多い、広場のふちが好きです。

🍙 草を食べます。


まだらばった

3、4cmくらいの小型のばった。
近づくと、地面すれすれをすばしっこく飛ぶので、動体視力の発達していないちっちゃな子どもたちは、目で追えないことがあります。
脚(あし)のスネの部分が、黄、青、赤の3色になっています。枯草色の個体が多いですが、緑色やピンク色もあります。ピンク色は、こちらの記事で紹介しています。

まだらばった(枯草色)
まだらばった(緑色)
まだらばった(幼虫・緑色)
まだらばった(幼虫・枯草色)

🏠 背の低い草の生えた、明るい広場が好きです。

🍙 草を食べます。


きりぎりす の なかま

アンテナ(触角)が細くて、長いのは、バッタではなく、キリギリスやコオロギの仲間です。どちらも、翅(はね)をこすって鳴き声を出します。キリギリスの仲間は、バッタとよく似た、左右に扁平な体型です。


うすいろささきり

ほしささきりより少し大きく、細長い体型です。翅(はね)の側面に、黒い点々はありません。

うすいろささきり

🏠 背の低い乾いた草むらが好きで、草の茎にとまって「シリシリ・・・」と鳴いています。

🍙 草を食べます。


きりぎりす

春になると、1cmくらいの、きりぎりすの赤ちゃんが、よく見られます。背中の両側に色の濃い線があります。それがぼやけて、真ん中に太い線があるのは、ヤブキリです。黒いのは、ヒメギスで、それぞれ別の種類です。
大人のキリギリスは、深い草むらにいて、すばしっこいので、子どもたちには、まず、つかまえられません。

きりぎりす(幼虫)
ピーピーまめのさやの上にいるキリギリス

🏠 赤ちゃんは、草花の上にいます。大人になると、茂みの深いところに隠れます。

よく似ているヤブキリ。背中に茶色いすじがあります。
黒いのはヒメギス

🍙 花や草を食べます。ほかの虫をつかまえて食べることもあります。

⚠️ 成虫に噛まれると、出血することがあります。


くさきり

クビキリギスと同じくらいの大きさで、とてもよく似ています。頭が丸いです。緑色と枯草色の個体があります。成虫は真夏から秋にいます。夜になると「ジ〜〜」と鳴き続けます。

くさきり
くさきり(幼虫)

🏠 背の高い草むらが好きです。

🍙 草や草の実を食べます。


くびきりぎす

大人になると、とのさまばったに近いくらいの大きさになります。緑色と枯草色の個体があり、ときどきピンク色もあります。写真ではよくわかりませんが、口が赤いです。
成虫も幼虫も動きが鈍いので、子どもたちも、よくつかまえます。
成虫は、秋と春にいます。つちいなごと同じく、大人の姿で、冬を越します。桜の花が終わる頃から、夜になると「ジ〜〜」と鳴き続けます。

くびきりぎす
くびきりぎす(幼虫)
枯草色の幼虫

🏠 背の高い草むらが好きです。

🍙 草や草の実を食べます。

⚠️ 成虫に噛まれると、出血することがあります。「首切り」という名前は、噛み付くから? 「ぎす」は「きりぎりす」の略です。


つゆむし(なみつゆむし)

4cmくらいで、緑色です。手足が長く、体は、ふにゃふにゃしています。ぎゅっとつかまれると、すぐにぐったり・・・
メスは、しっぽの先に平たい産卵管があります。

なみつゆむし(おす)

🏠 背の高い草むらが好きで、先端にとまっていることが多いです。

🍙 草や花を食べます。

なみつゆむし(めす)

ほしささきり

2、3cmの、小さなきりぎりすの仲間です。翅(はね)の側面に黒い点々(星)があります。枯草色の個体もいます。
メスは、しっぽの先に、ナイフのような産卵管があります。
雑草があればたいていいますし、数も多いですが、小さくて、すばやくぴょんぴょん逃げ回るので、子どもたちには、ややつかまえにくいです。
ささは笹、きりはきりぎりすの略です。

ほしささきり
ほしささきり
ほしささきり(幼虫・メス)

🏠 背の低い、明るい草むらにいます。

🍙 草を食べます。


こおろぎ の なかま

唱歌「虫の声」の主役は、こおろぎの仲間です。育ててみると、お部屋で鳴き声をきくことができますよ。バッタ、キリギリスと異なり、体型は上下に平たく、褐色のものが多いので、ゴキブリっぽい感じかも。


えんまこおろぎ

2、3cmの、大きなこおろぎです。大きくてよく目立ち、あまりすばしっこくないので、園児たちも、よくつかまえます。幼虫のときは、黒い体に白い線が入っています。お部屋で育てると、キリキリと、わりとかわいい声でよく鳴きますよ。

えんまこおろぎ
えんまこおろぎ(幼虫)

🏠 草むらの地表にいます。穴を掘っていることもあります。

🍙 雑食性。草や草の実、死んだ虫などを食べます。


おかめこおろぎ

エンマコオロギの半分くらいです。このサイズのこおろぎには、何種類かあります。お部屋で育てると、種類によって鳴き声がちがうので、楽しいですよ。ほとんどは夏の終わりから秋に成虫になりますが、初夏に現れる種類もあります。

はらおかめこおろぎ

🏠 草むらの地表、プランターの下、落ち葉の間など。すき間が好き。

🍙 雑食性です。


しばすず

1cm足らずの、小さなこおろぎです。枯草色をしています。まだらすずより少し遅れて、夏から秋まで、「ジーー」と連続的に鳴いています。小さいですし、ぴょんぴょん跳ねてすばしっこいので、園児たちがつかまえるのは、簡単じゃないです。

しばすず

🏠 草むらの地表にいます。

🍙 草を食べてると思う。


まだらすず

1cm足らずの、小さなこおろぎです。脚(あし)に黒い模様があります。
バッタがほとんどいないような園にも、います。梅雨の頃から秋まで、地面から「ビー・ビー」と断続音で鳴き声がきこえるはずです。
「すず」は、「すずむし」の略です。

まだらすず

🏠 砂地に草が少し生えているような地面にいます。

🍙 草を食べてると思います。


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2021年2月23日むし図鑑キリギリス,コオロギ,バッタ

Posted by やぎ